R 7. 6.13 原価に算入された交際費の取扱い 担当 I.K.
土地等の固定資産や棚卸資産を購入する際に、所有者に接待をするなどの支払いをした場合には、資産の取得価額に含まれることとなります。
また、その接待に要した費用は交際費等の額に含まれることから、交際費等の損金不算入の規定の適用も受けることとなります。
この場合、法人税法上、損金の額に算入していないにも関わらず、交際費等の損金不算入の規定により所得金額の加算調整を行う場合には、二重課税になってしまいます。
そのため、下記の算式により計算した金額を当該事業年度の確定申告において減算することができます。
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取得価額に含まれる交際費等の金額 |
交際費等の損金不算入額 |
× |
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支出交際費等の金額 |
【参考条文】
租税特別措置法61の4(2)-7
原価に算入された交際費等の調整
法人が適用年度において支出した交際費等の金額のうちに棚卸資産若しくは固定資産の取得価額又は繰延資産の金額(以下「棚卸資産の取得価額等」という。)に含めたため直接当該適用年度の損金の額に算入されていない部分の金額(以下「原価算入額」という。)がある場合において、当該交際費等の金額のうちに措置法第61条の4第1項の規定により損金の額に算入されないこととなった金額(以下「損金不算入額」という。)があるときは、当該適用年度の確定申告書において、当該原価算入額のうち損金不算入額から成る部分の金額を限度として、当該適用年度終了の時における棚卸資産の取得価額等を減額することができるものとする。この場合において、当該原価算入額のうち損金不算入額から成る部分の金額は、当該損金不算入額に、当該適用年度において支出した交際費等の金額のうちに当該棚卸資産の取得価額等に含まれている交際費等の金額の占める割合を乗じた金額とすることができる。
(注) この取扱いの適用を受けた場合には、その減額した金額につき当該適用年度の翌事業年度において決算上調整するものとする。
R 7. 6.11 交際費等と寄附金との区分について 担当 S.Y.
交際費等とは、得意先や仕入先その他事業に関係のある者などに対する接待、供応、慰安、贈答などの行為のために支出する費用をいいます。
一方、寄附金とは、金銭、物品その他経済的利益の贈与または無償の供与をした場合のその金銭の額またはその贈与もしくは供与の時における価額をいいます。
一般的に寄附金、拠出金、見舞金などと呼ばれるものは寄附金に含まれます。ただし、これらの名義の支出であっても交際費等、広告宣伝費、福利厚生費などとされるものは寄附金から除かれます。
金銭や物品などを贈与した場合に、それが寄附金になるのかそれとも交際費等になるのかは、個々の実態をよく検討した上で判定する必要があります。
ただし、次のような事業に直接関係のない者に対する金銭の贈与は、原則として寄附金になります。
1 社会事業団体、政治団体に対する拠金
2 神社の祭礼等の寄贈金
R 7. 6. 6 保険金等で取得した固定資産等の圧縮記帳 担当 H.S.
法人がその有する固定資産の滅失または損壊により、その滅失または損壊のあった日から3年以内に支払の確定した一定の保険金、共済金または損害賠償金(以下「保険金等」といいます。)の支払を受け、その支払を受けた事業年度において、その保険金等をもってその滅失をした固定資産に代替する同一種類の固定資産(以下「代替資産」といいます。)の取得をするか、損壊を受けた固定資産や代替資産となるべき資産の改良をした場合は、これらの固定資産について圧縮限度額の範囲内で帳簿価額を損金経理することにより減額、または、確定した決算において積立金として積み立てる方法等により経理したときは、その減額または経理した金額を損金の額に算入する圧縮記帳の適用を受けることができます(法47条)。
なお、法人税法第47条第1項の「固定資産の滅失」には、固定資産の盗難による滅失も含まれます。
R 7. 6. 4 扶養親族等の所得要件について 担当 T.E.
令和7年度税制改正により扶養親族等の所得要件が変更になりました。
扶養親族、同一生計配偶者、ひとり親の生計を一にする子は58万円以下、勤労学生は85万以下になります。
R 7. 5.30 生産性向上や賃上げに資する中小企業の設備投資に関する固定資産税の特例措置の拡充及び延長 担当 O.S.
令和7年度の税制改正により、固定資産税の特例率や要件が変更となっています。
・賃上げを行う企業を対象に、赤字黒字を問わず設備投資に伴う負担を軽減する固定資産税の特例措置の適用期限を2年間延長するとともに、賃上げ率に応じて、軽減率を引き上げる。
具体的には、賃上げ表明しない場合は、固定資産税の特例措置なし
賃上げ率を1.5%以上引き上げる方針を表明した場合は、3年間、課税標準を1/2に軽減する。
賃上げ率を3%以上引き上げる方針を表明した場合は、5年間、課税標準を1/4に軽減する。
R 7. 5.28 特定親族特別控除の創設 担当 M.J.
令和7年分の年末調整、つまり今年の年末調整から特定親族特別控除が対象となります。
特定親族とは、居住者と生計を一にする年齢19歳以上23歳未満の親族(配偶者、青色事業専従者として給与の支払いを受ける人及び白色事業専従者を除きます。)で合計所得金額が58万円超123万円以下の人をいいます。
なお、親族には児童福祉法の規定により養育を委託された、いわゆる里子を含みます。
給与収入だけの場合、123万円超188万円以下であれば対象となります。
ちなみに合計所得金額が58万以下の場合は、特定親族特別控除の対象ではなく、扶養控除の対象となり、19歳以上23歳未満の親族は特定扶養に該当し、扶養控除額は63万円です。これは特定親族特別控除の最初の段階の控除額、63万と同額になります。
R 7. 5.23 6月1日から熱中症対策が義務化 担当 H.T.
ここ数年熱中症による事故のニュースが聞かれることが多くなりました。労働安全衛生法が改定され、6月1日から特定の作業においては熱中症対策が義務付けられました。
対象となる作業は 「気温31℃以上の環境下で連続1時間以上または1日4時間を超えて実施が見込まれる作業」です。
義務化されるのは
1. 熱中症の症状がある者を見つける・確認できる体制の整備
2. 1の者を把握した場合の報告、救急対応の手順
3. 関係作業者への周知
の3点です。
具体的には例えば1では他覚症状としてふらつき、大量の発汗、自覚症状としてはめまい、頭痛、吐き気 などがあることを理解し、互いに注意しあうこと2では該当者が把握された場合の処置として意識の有無を確認→救急要請を行うか、自力での水分摂取を行うか→どこへ連絡するか等のフローを定めることなどが考えられます。
建設業の他、警備業や外での移動が多い営業職も対象になることがあります。
また、業務内容や着衣の状況によっては対象作業でなくとも熱中症のリスクは高まるので注意が必要です。
R 7. 5.21 所得税基礎控除の引上げ 担当 Y.M.
所得税基礎控除について、合計所得金額が2,350万円以下である個人の控除額が10万円引上げになります。
・合計所得金額が2,350万円以下である個人は58万円
・合計所得金額が2,350万円を超え2,400万円以下である個人は48万円
・合計所得金額が2,400万円を超え2,450万円以下である個人は32万円
・合計所得金額が2,450万円を超え2,500万円以下である個人は16万円
R 7. 5.16 控除対象となる配偶者の所得要件の引上げ 担当 H.K.
改正により令和7年分から所得税の基礎控除等が引上げられたことに伴い、配偶者控除(控除額38万円)の対象となる配偶者の所得要件は合計所得金額58万円以下(給与収入123万円以下)となります。
また、配偶者特別控除は58万円超133万円以下(給与収入123万円超201.6万円以下)が対象となり、95万円以下(給与収入160万円以下)の場合は38万円の控除が受けられます。